マナーエッセイ

江戸時代に学ぼう!

2005年8月1日

昨日の悲しい出来事3連発…。残念なことに対象は全て若者だ。

 

まず、場面はJRの電車内。雨の日に満員電車に乗り合わせてしまった私が単に不幸だったのか、車内はびしょ濡れの傘を持った人達で大変なことになっていた。中には傘を留め紐でまとめて鞄の内側で持っていたり、デパートの玄関に置いてそうな細長~いビニール袋(ちゃんと携帯してるんだねぇ…)に入れていたりと、他人に迷惑をかけないよう配慮している人もたくさんいた。……が、私の左横立ってた女子大生風の彼女!「アナタの右手に持ってる傘が、私の服を無残な状態にしていることに気づいてよ!」という心の叫びが届いたのか彼女は一瞬私のほうを見た。しかし次の瞬間、信じられないことが起こったのだ。ナント!彼女は自分の服まで濡れていることに気づき、傘を持ったその手を、さらに私のほうへ近づけてきたのだ。『気づく』ところが違うでしょ!

 

憂鬱な気持ちのまま電車を降りると、今度は後方から誰かがド~ンとぶつかってきた。振り向くとカワイイ制服の女の子、年は17才ぐらいか…。私を無視して走り去る姿を見ながら、「スミマセン」の一言が聞きたかったなぁと、溜め息。

 

そして最後は携帯電話だ。こっちの都合も知らずに突然鳴り出し、苦労して出たかと思えば無言…、一方的にブチッと切れた。後で卒業した教え子からだと発覚したが、もう勘弁して~!

 

『迷惑をかけない…、かけたら詫びる』…。コレって、そんなに難しいこと?

 

昔、江戸時代の町人には、『江戸仕草』といわれるものがあったそうな…。当時の江戸は、最高時で人口100万人を越える世界一の過密都市。特に下町は家屋が密集、道路も狭いときてる。人々は狭い空間を右往左往しながら、それでもぶつかり合うことがなかったという。お互いに肩を引き合ったり、傘を斜めにしたりという仕草が浸透していたからだ。相手を思いやり、快適な生活環境を作り出すために自然発生していたマナーが、一種のルールにまで発展したという。

 

『先人に学べ』という言葉、私は改めて大好きになった。

 

おわり