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マナーエッセイ

大人のマナー

2006年8月1日

『おとなのマナー実践講座(日経ホーム出版)』という本。日本屈指と評される名店が数々紹介されているが、興味深いのは一流であり続ける理由が利用 するお客様によるところが大きいという点だ。例えば懐石料理をいただく場合、和食のマナーでは器を持ち上げることが多いので、大ぶりの指輪をはめていると 器を傷つけてしまう恐れがある。「最初に並んだ器を見て、そっと指輪をお外しになる女性がいらした。素晴らしい方だと感じ入りました…」とは、ある料亭の 女将のコメント。また、酒器をぶつけて乾杯するのも店がヒヤリとする瞬間らしい。「器と器がぶつかる音を指して『器が泣いている』と表現するのだという。

 

正式な作法を知らずとも「その人なりに器を大事に扱ってくだされば、嬉しく感じる」という店側。その器ひとつから贔屓の店を『思いやる』客側の姿勢が一流店として育っていくか否かの違いなのだ。

 

ゴルフ場も然り。名門コースはクラブハウス内の洗面所がいつもキレイだという。髪の毛一本落ちていないし、洗面台に水滴が散っていることもない。たぶ ん、個々のゴルファーが他の利用者への心遣いから、自分が使用したときに備え付けのティッシュで拭くのだろう。客という立場を超えた人間としての「品格」 を感じる。

 

私たちは大人として、また親として子供達に誇れるマナーを体得していなければならないと思う。

 

しかし、実際のところは残念な場面に遭遇することも少なくない。

 

先日見かけた40代後半ぐらいのご婦人は、ワンコのお散歩中で、シャベルとビニール袋を持っておられた。愛犬の汚物をちゃんと持ち帰るつもりらしく、 「さすがだなぁ。」と感心していたら……、えっ?…んっ?…。なんとオバさん!袋に入れた犬の排泄物を排水溝に”ポイ捨て”しちゃったではないか!彼女の マナーは見せかけだったのだ…。

 

そういえば、小学生の甥っ子の授業参観に行ったときも驚いた。教室の後方にたむろしていたママ達のおしゃべりが凄まじかったのなんのって…。こんなお母 さん達、子供には「人の話をきちんと聞きなさい」などと言っているのだろうか…。さらに悲しかったのは、週末、子供野球の観戦に行ったときだ。応援に駆け つけた父母の中に、相手チームの子供がミスをしたとき、手を叩いて大喜びしていた人たちがいた。本当は自分の子供やチームメートの好プレーに対しての行為 であるはずなのに…。

 

相手を思いやり、周囲に気遣うことのできる大人であり、親でなければならない。今回は、最後に私の大好きな言葉で締めようと思う。

 

『心が変われば態度が変わる。態度が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば人生が変わる』(ルソー著:エミールより)

 

おわり