公務員の種類

公務員試験制度の概要公務員の種類を知ろう

公務員の種類は「国家公務員」と「地方公務員」に大別されます。
それぞれの職種は多岐にわたり、採用試験や職務の性質、また適用される法律なども異なってきます。
いずれの仕事も国民の生活に密接に関わるもの。"国民全体の奉仕者である"ことが、すべての公務員に共通する大前提といえます。

公務員の性格

公務員の職務はさまざまにありますが、そのベースにある性質は同じです。
憲法第15条に、「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない」と規定されており、この「全体の奉仕者」ということがすべての公務員の性質を明確に示しているのです。
公務員の仕事は国民(住民)の利益に直接影響を及ぼします。
したがって、公務員にはまず、民間企業の社員以上に高い倫理観が要求されます。
また、職務の性質が利潤を追求することを目的にしていないため、公務能率を測定することが困難という側面がありながらも、国家公務員法第96条、地方公務員法第30条には、「職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない」とあり、これらが服務の根本基準となります。
こうした公務員の性質から、公務員は憲法の保障する基本的人権に大きな制限を受けており、次のような服務上の規制がなされているのです。

公務員は高い倫理観を要求されるだけでなく、服務上、各種の制限や規制を受けているわけです。
その反面、公務員には身分の保障や厚生施設の完備などの保護があります。それは公務員の雇用主の立場にある国や地方自治体が民間企業などに対し、模範的な雇用主でなくてはならないという理由からです。

国家公務員と地方公務員

東京にある中央省庁やその出先機関※1といった国の機関に勤務するのが国家公務員、都道府県庁や市役所、町村役場をはじめとした地方公共団体に勤務するのが地方公務員です。日本では現在、公務員の数は約400万人で、そのうち約95万人が国家公務員、305万人が地方公務員と言われています。また、転勤と言う事を考えると、国家公務員は全国的な組織内にあるので、基本的に全国各地に転勤を命ぜられる可能性がありますが、高卒程度の公務員に関しては比較的それが少ない事も特徴です。地方公務員は原則としてその地方公共団体の区域内に限られます。

※1 出先機関
各省庁が全国に設けている機関です。例えばハローワークは厚生労働省の出先機関です。

事務系職と公安系職

公務員には大きく分けて、官公庁などで事務に従事する仕事と社会や人々の安全を守る仕事の2種類があり、それぞれ事務系職、公安系職に分かれます。公安系職は、国家公務員では刑務官や皇宮護衛官、自衛官などが含まれ、地方公務員では警察官、消防士が含まれます。

公務員の種類

採用試験の区分

採用試験の区分

公務員試験は、年齢などにより受験できる試験が異なります。国家公務員では一般職試験と専門職試験があり、それぞれに大卒程度と高卒程度の試験があります(大卒程度には総合職試験もあります)。また、地方公務員でも上級・中級・初級と言ったように受験区分が異なってきます。例えば、国家公務員一般職(大卒)では「21歳以上30歳未満となっており、年齢が条件を満たせば受験できます。従って試験の名称では「大卒」「高卒」などになっていますが、あくまで「大卒程度」「高卒程度」という意味であり、原則的には学歴に関係なく希望の試験が受験できます。(一部、警察官など試験によっては学歴要件を設けている場合があります。)ただし、このうち総合職・国家一般職(大卒)や上級・中級と呼ばれる多くの試験では法律や経済など、国家一般職(高卒)や初級試験では課されない専門試験を受験する必要があります。専門試験の難易度は非常に高く、受験生の負担は大きくなります。また、総合職・国家一般職(大卒)や上級・中級のライバル達には多くの難関大学の在籍や卒業生が含まれており、一般に国家一般職(高卒)、初級試験よりもかなり難易度の高い試験になる傾向があります。

採用後の職務待遇

総合職、国家一般職(大卒)、上級が「幹部コース」となりますが、最近では募集区分に関係なく実力を持つ職員は昇進させるように変わりつつあります。また、多くの市役所、税務署、各省庁などでこれら総合職、国家一般職(大卒)、上級試験採用者と国家一般職(高卒)・初級試験採用者が机を並べて仕事をしており、採用後の頑張りによっては大きな仕事をまかされる可能性が広がっています。給与についても、国家公務員の俸給表(給与について定めた一覧表)では、大卒採用の1年目職員と、専門学校1年課程卒4年目の職員は原則として同じ給与となります。要するに学歴・職歴に空白期間がなければ、原則年齢が同じであれば大卒であろうが専門学校卒であろうが同じ給与となります。

国家公務員

今年度より、国家公務員採用試験が改定され、新制度として採用試験が実施されます。従来のⅠ種・Ⅱ種・Ⅲ種・その他の試験(国税専門官など)が統合され、新たに総合職・一般職・専門職・経験者採用の4分野で採用が行われるようになりました。この4分野の中で、高校卒業程度の資格で受験できるのは、一般職、専門職の2分野になります。

一般職

一般職は事務・技術・農業・農業土木・林業の5 区分に分かれます。事務職では、各省庁やその出先機関で、主に庶務・経理などのデスクワークに就くことになります。ただし、採用先によっては単なる事務ではなく、税関で関税処理や輸入禁止品の押収をする者や外務省に入り海外勤務を行う者、検察庁に入り検察事務官として裁判業務に深くかかわるなど専門的な仕事に従事することもあります。

専門職

税務職員 税務大学校に入校し、約12か月の研修を受けた後、全国の税務署などにおいて、国税の賦課・徴収をはじめ納税者の調査・指導などの業務に就きます。また、平均15年で税理士の資格が取れ、現場成果主義の職場としても知られ、大学卒業程度の資格者とほぼ同等の業務に従事します。
裁判所事務官 試験に合格すると、裁判所事務官として各裁判所に配属され、裁判部門において裁判所書記官の下で各種裁判事務を担当したり、司法行政部門に配置されて事務局の庶務・人事・会計等の一般事務に従事したりすることになります。
海上保安官 試験に合格すると、海上保安学校に入校し、海上保安業務に必要な学術や技能を修得します。卒業後には、各管区に配属され、専攻に従った業務に就きます、(船舶運航システム課程・航空課程・情報システム課程・海洋科学課程)
入国警備官 採用後は、入国警備官警守に任命されます。全国の地方入国管理局などに配置され、不法入国者・在留外国人の法令違反事件などの調査、違反容疑者及び被退去強制者の護送、収容所の警備などの業務に従事します。
刑務官 採用後は、法規をはじめ教育心理学、護身術などの実科および実務についての研修を受けます。研修終了後は、法務事務官看守に任命され、刑務所、少年刑務所、拘置所に勤務し、被収容者に対し、日常生活の指導・職業訓練指導を行うとともに、刑務所、拘置所などの保安警備、その他の任に当たります。

自衛隊

一般曹候補生 一般曹候補生とは、陸上、海上、航空各自衛隊の部隊を通じて、その基幹隊員となる陸・海・空曹自衛官を養成する制度です。入隊後は、まず教育課程で中堅陸・海・空曹として必要な資質を養うとともに、一般曹候補生として部隊勤務に必要な基礎的知識及び技能を修得します。
自衛官候補生 採用後は、「自衛官候補生」(特別職国家公務員)に任命され、自衛官となるために必要な基礎的教育訓練に専念します。自衛官候補生として所要の教育を経て3 ヶ月後に2 等陸・海・空士(任期制自衛官)に任官します。

地方公務員

都道府県職員

自治体によって名称は異なりますが、事務系の職種の場合は配属先によって一般事務(一般行政)、学校事務(教育事務)、警察事務などに分けて採用され、各業務に従事します。

一般事務 本庁や出先機関を中心にさまざまな職場に広く配置され、庶務・経理、企画・立案、渉外・折衝、調査、検査、指導などの一般行政事務に携わります。
学校事務 公立学校に勤務し、教職員の給与や旅費の計算、福利厚生面でのサポート、図書館事務などで、学校運営全般にわたる事務を行います。
警察事務 警視庁(東京都)や各都道府県の警察本部・警察署に勤務し、施設の管理、調査統計、物品の購入などの会計事務、職員の給与支給、福利厚生、運転免許の作成・交付、情報管理などに携わります。

市町村職員

市町村職員の仕事には、本庁や出先機関などで、書記的、事務的な仕事を主な職務とする一般事務、ほかに土木や建築といった技術系職種、さらに消防署の消防士など、地域に密着した職種があります。事務系の職種は、市役所内のさまざまな職場に広く配置され、庶務・経理、企画・立案、課税・徴収、渉外・折衝、調査、検査、指導などの一般行政事務に携わります。

警察官

採用後は各都道府県の警察学校に入り、10 ヶ月程度にわたり職務に必要な基礎知識や技能を修得します。卒業後は、警察署に配置され、個人の生命・身体・財産の保護、犯罪の予防・鎮圧・捜査、被疑者の逮捕、交通の取締り、そのほか公共の安全と秩序の維持などの任務に従事します。
身体測定・体力測定

消防官

消防官の採用は東京都は東京消防庁、政令指定都市は人事委員会、その他の市町村では市、消防本部、消防組合単位で行われます。採用後は、消防学校に入校し、消防官として必要な教育を受けた後、各消防署へ配属されます。仕事内容は主に、火災などの防除・鎮圧、救助、救急、建物の安全指導、火災予防などの業務に従事します。
身体測定・体力測定
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